専門職大学へ進学するという選択

若者の進学率の高さ

中学校卒業の義務教育終了とともに多くの若者が就職をする時代もありましたが、今や大学や専門学校への進学は当たり前の時代です。2018年度の統計を見てみると、57.9%の若者が進学を決めているようです。理由として多いのは「大卒資格の取得で就職先の幅を広げるたい」、「自分のやりたいことや専門性を高めるため」などがあり、将来を見据えた進学を決めている若者が多いことが分かります。

新しく始まった専門職大学

専門職大学と大学の違い

2019年から「専門職大学」という新しい学校制度が始まったのをご存知でしょうか。「大学?専門学校?」名称だけだとどっちかよく分かりませんが、実はそのどちらでもあり、どちらとも異なる存在です。専門職大学は大学の特色である広い教養や興味ある分野を深く学びながら、専門学校の特色である仕事や産業直結の必要な知識・技術を身に付けることを融合した今までにない学校です。すでに専門職短期大学含め認可が決まった学校も何校か存在します。
大学は座学が中心で、実践的な力や現場での応用力を学ぶのが難しいという特徴がありました。加えて、専門学校は専門的な知識と技術は身に付けられることが出来ますが、卒業時に「学士」の資格を得ることが出来ません。
企業によっては、応募資格に学士が必要な場合が多く、その時点で企業の採用試験を諦めてしまう方も少なくありませんでした。

専門職大学で出来ること

専門職大学は従来の4年制大学と同じ、4年の学習の修了を経て卒業が可能で、学位は「学士(専門職)」となっています。なぜ、このような学校制度が出来たかというと、これからの時代に必要な専門的知識と高度な実践力、新たなサービスを生み出すための想像力、変化に柔軟に対応出来るような問題解決力を身に付けた人材を輩出することを目的としています。産業界と連携し、長期の企業内実習が設けられることで、現場で即戦力となれる教育を受けることが出来るでしょう。
今まで専門学校卒では挑戦出来なかった企業への挑戦も可能になります。卒業後の進路の幅が広がった、と言えますよね。

専門職大学で学べる活発な分野


最近では特にAI(人工知能)、ICTなどのITの分野は急激な成長傾向にあります。2020年にはIT分野の専門職大学である東京国際工科専門職大学が開学され、AI戦略、ICTシステムやロボットの開発を学ぶコースや、ゲームやCGアニメーションと言ったデジタルエンターテイメントを学べるコースが設置されています。世界の産業界と連携することが出来、最先端のITに触れることが出来るでしょう。IT技術と外国語のスキルを持ち合わせて海外でも活躍出来れば、かなり戦力として重宝されそうです。将来、国を越えてITの分野を極めたい人にはぴったりの専門職大学です。

国際工科専門職大学はあくまで一つの例ですが、今後も色んな分野の専門職大学が出来ていくことでしょう。まだ卒業生のいない未知の大学ですので、期待を寄せる声も多いはずです。

進学選びのポイント

進路先を考えたいけど、どのように決めたらいいか分からない学生も多いと思います。
これからの人生を左右すると思うとプレッシャーに感じてしまいますよね。
では、進路選びのポイントを紹介します。

自己分析をする

まずしなければならないのは自己分析です。
自分がどんなことを考えて、何をしたいのかを理解しなければ、進学先を決めることは難しいでしょう。
具体的にどのように自己分析をすればよいのかというと、「今自分が何に興味があるのか」や「自分が好きなものは何か」を考えてみることです。

難しく考える必要はなく、何気ない日常を思い返してみてください。
例えば、車が好き、漫画が好き、生物が好き、勉強を教えるのが好き、何かを作るのが好き、何でも構いません。
自分が興味のあるもの、好きなものを考えてみましょう。
その際、自分がどんな性格なのかも考えることも必要です。

例えば、人と話すのが好き、趣味の時間が欲しい、勉強が楽しい、など自分がどんな人なのかを分析します。

何がしたいのかを考える

興味があること、好きなことが分かったら、それをどうしたいのかを考えます。
それは趣味でいいのか、または仕事にしたいのか、もっと極めたいのか、知りたいのかを考えます。

また、自分の性格と併せて、どんなことがしたいのかを考えていきましょう。そうして考えていくと、段々と将来やりたいことが絞られてきます。

将来やりたいことが決まったら、そこにたどり着くにはどうしたらいいのかを考えましょう。
例えば、就きたい仕事があるなら、就きたい仕事になるためには何を学ぶ必要があるのか、役に立つ分野は何なのかを考えます。
そうすると、大学がふさわしいのか、専門職大学がふさわしいのか、専門学校がふさわしいのかが分かります。

難しく考えすぎずに、やりたいことを考えてみましょう

考えすぎて考えがまとまらない可能性もあります。
余り思いつめずに、まずはラフな姿勢で考えてみましょう。友人や親にこんなことがやりたい、と口に出して話すと意外と考えがまとまるかもしれません。
また、話した人から「こんなの向いているかも」とアドバイスをもらえる可能性もあります。柔軟な思考を持って、将来について考えてみてくださいね。